Boichi作品集HOTEL感想

 モーニングで連載した短編集3編+MANDALAに連載した短編2編と書き下ろし4編を加えたBoichino短編集でした.メインはモーニングに連載した短編集3編で、他のものはぶっ飛んだ内容であったり、ギャグに走りすぎていて、内容が良く理解できませんでした.でもモーニングに連載していて「HOTEL-SINCE A.D.2079−」「PRESENT」「全てはマグロのためだった」は凄く面白く、モーニングで初めて読んだときはどれも衝撃的だったのを覚えています.

HOTEL-SINCE A.D.2079−」感想

 モーニングの連載で読んだときは、物凄く面白いSFを作品だなと身震いしました.ストーリも面白く、またデザインもいいです.下にざっとしたあらすじ書いていますが、読んだことない方は単行本を買うことをお勧めします.
 全は人類が地球温暖化が始まり、人類が滅びるまでの過程が描かれていて、後半は全く人間が出てきません.ルイのホテルに関する経過報告にある.しかし、ルイが自分を改造して、案野を父として思い出したりするようになり、淡々とした経過報告の中にも、やや感情的な表現があって面白い.最後のゴーストを見るシーンがすごく良かったです.

HOTEL-SINCE A.D.2079−」あらすじ

 近未来の地球.化石燃料の浪費により地球は温暖化を続けた.ドキンス博士は2250年頃には地球の外気温は100℃に達し海は消滅し、地球上の生命は絶滅するだろうと予言した.そこで、はるか宇宙のかなたの人類が生存できるかもしれない恒星系に人類の14万人分のDNAを乗せた宇宙船"方舟(はこぶね)"を送る計画を提案する.一方で、ドキンス博士の弟子の案野は、南極に人類以外の生命DNAを保管する高さ4720mの塔の建設を提案する.それは、人類が犯した罪の責任を取るためにだった.かつて、人類が滅ぼしてしまった生命の記憶をせめて地球に残しておきたかったのだ.
 2030年に塔の建設が始まり建設から20余年、塔は大凡完成し、DNAの貯蔵が始まる.その頃から塔はホテルと呼ばれるようになる.ホテルの管理人として設計されたコンピュータ"ルイ"は塔の発案者"案野"とコンピュータの管理人ナイトリの意思を受け継ぎDNAの保管を続ける.けして冷めることない地球で、長い年月、終わりの見えない長い時間の中、次第にルイは時間の感覚を失って…


「PRESENT」感想

  雪の降るクリスマスの日、女子高生の花子は、担任のマカオこと高尾先生にプレゼントを渡す.そしてその後・・・
 これは、ちょっとありきたりな設定の話なんですが、最後のマカオと花子のやりとりでうまくまとめた作品でした.なんか読んでいて切なくなる作品でした.ただ、ここで語られることがないマカオの苦悩の原因がなんだったのかが謎で、されが何だったのか想像を掻き立てられます.この書かれている部分だけ読むとこの話は、ゲームのプロローグとエピローグだけをつなげた話だと感じました.

全てはマグロのためだった 感想

 これはおばかテーマでも壮大な話の展開でした.SF物って分野はやりつくされた感があって、先の展開が全く読めない物って、最近では少ないかなと感じてましたが、そんなことはなかった.この話全く先が読めなくて、先の展開がどうなるのか気になって気になって、気がついたら読み終わってるって感じでした.僕にとっては攻殻機動隊を始めて読んだときくらいの衝撃がありました.
 話も結構おばかな話で熱血漢の汐崎潤が研究に途中で日本や世界を救うのですが、本人は全く不本意な感じなとこや、途中で谷口君の行動は面白かった.すっごく馬鹿なことを物凄くまじめにやる姿を物凄くまじめに描いてるから面白です.
  

全てはマグロのためだった あらすじ(冒頭)

 汐崎潤は、父に連れられ何の変哲もないすし屋で、すしを食べさせてもらっていた.ベテランの職人がやや緊張した面持ちで握ったすしを潤は喜んで食べ、その味を生涯忘れることができなった.その時、潤がたべたのは地球最後の大トロのすしだったのだ.潤は研究者となり大トロを復活させようとするのだが….