「バクマン。」11ページまでの感想

バクマン。」11ページまでのあらすじ

 将来の進路も特に決めていなかった中学三年生の真城最高(サイコー)は、絵の上手いことを理由に同級生の高木秋人(シュージン)から二人で漫画家にならないかと誘われる.また、サイコーが想いを寄せる亜豆美保はサイコーの書いた漫画のアニメのヒロインの声優になりたいと申しでる.またその願いが叶ったららサイコーと結婚してもいいと約束する.そのため、サイコーはシュージンと二人で漫画家になることを目指すことになる.サイコーとシュージンの漫画家を、美保の声優を目指すサクセスストーリー.この三人の成長物語と漫画業界・アニメ業界の内輪話が中心となるのかな?

バクマン。」11ページまでの感想

 物語のテーマ的には
  1.漫画道

  2.ジャンプ編集局周辺の仕事の話
  
  3.学園ドラマ

  4.ライバルとの対決
  
  の4本からなっていて、さらもジャンプお得意の「友情」「努力」「勝利」も取り入れている.
  
  

 "大場ツグミ"と"小畑健"のコンビが描く漫画家を目指す少年達の漫画.漫画家を目指し始めたサイコーとシュージンが二人で漫画を描く勉強を始め、最初の数話は漫画を描き方講座的な話が続くが、作者達自身の漫画に対する思想、売れる漫画の条件が載って、二人の漫画に対する分析を読んでいるだけでも面白い.大ヒット作DEATH NOTEをの原作者コンビ名だからこそ、何を言っても説得力がある.
 "売れる漫画家には天才型と分析型があり、大ヒットする漫画家は天才型だ."
 "漫画家にとってももっとも重要な要素は運だ"とかね.
 島本和彦の「吼えよペンで」で主人公の炎が仁王立ちでバックに炎を背負いながらこれと同じこと言っても、半分はネタにしか感じないけど、大場ツグミ×小畑健が言うと"そーなのかー"と感じてしまう.
 
 漫画家を目指す上で重要になってくるのが出版社と漫画家の間を取り持つ担当者.「金色のガッシュ!!」の雷句誠がサンデーの元担当者と大揉めして、小学館との関係を絶ってしまったのは有名な話である.担当者がハズレだと漫画家もだめになるとネット上でささやかれているくらい重要な位置を占めるの編集者である.いい編集者に当るか当らないかは運しだい.
 バクマンで。二人の担当者的存在として登場するのが服部である。アイシールド21稲垣理一郎曰く「バクマン。」の担当に微妙に似ているらしい.この服部の登場により、少年漫画編集者のぶっちゃけトークみたなのがでてくる.
 「正直に言うと 僕達だって何があたるか 当たらないかなんて完璧にはえあからない それがわかれば 新連載が あんなにすぐには終わらないだろ ははは」
  そりゃどーだなと納得した.
 このあと二人がジャンプの手塚賞に応募する辺りから、ジャンプで連載されるための漫画の描き方の話っぽくなっている.
 
 これまでのあらすじを考えると.今のところ学校での日常生活や新妻エイジおちうライバルの登場があったものの、漫画の描き方から始まり、ジャンプ編集部に漫画を持ち込みかた、ジャンプで連載するための漫画の描き方を分析するみたにな話が登場し、新人がジャンプに漫画が載るまで見たいな話の展開になってきている.
 
 ここまで読んでいて漠然と思ったのが、これは壮大な"新人漫画家に対する釣り漫画"なのじゃないかと思ってきた.漫画家になりたいと漠然と思っている小・中学生達に対して漫画の持込するならジャンプ的な思想を植え付け、ジャンプにより新人漫画家の囲い込みを目指しているんじゃないかと感じた.「ばくまん。」は、実は、少年少女万が持ち込むなならジャンプだぞ思想刷り込み漫画じゃないのか?
 
 ただ、ライバルの新妻エイジが登場しており、彼との対決がどのように表現されるのか気になります.
 ジャンプの編集者に対して、もし自分の作品がジャンプの人気投票で一位になった場合は自分の嫌いな作品を打ち切れと要求しており、きっとサイコー達の漫画を打ち切りにするんだろうな.
 勝手な予想をすると、新妻エイジが亜豆美穂に一目ぼれをして交際を迫りるも、亜豆美穂とサイコーの約束をしり、サイコー達の漫画がジャンプに載らないように画策する.そして、漫画家の道を閉ざされ、シュージンはエロゲー作家に、サイコーは神絵師としてエロゲー業界を席巻する.そして亜豆はサイコー達のエロゲーで声優デビューをするのだった的な展開になると素敵です.
 
 あと、シュージンと付き合っていると勘違いしてい見吉香耶と岩瀬愛子の話の展開も気になります.岩瀬さん今週の話で完全に振られちゃいましたが、今後華麗に復活して登場すると思います.
  スランプに悩むシュージンの前に、人気BL同人作家として登場し、シュージンを同人界へ誘う.そこで、シュージンはどっぷりオタク化し吉見と別れることに.そしてシュージンは同人誌で伝説的な作品のシナリオを書き、その後ゲーム会社を設立し、エロゲー界の寵児となる的な展開になると…. 
 

「青年少年マガジン1978~1983」と「アオイホノオ

 今、ジャンプの「バクマン。」と平行して、集英社のライバル社である講談社小学館で漫画家をテーマにしている漫画が連載していて、それぞれの方向性の違いが面白い.
少年マガジンでは"小林まこと"による「青春少年マガジン1978~1983」、小学館のスピリッツ増刊・YSスペシャルでは"島本和彦"の「アオイホノオ」が連載されている.

「青年少年マガジン1978~1983」

 「青年少年マガジン1978~1983」は、"小林まこと"の自伝的な漫画で、彼のデビューしたきっかけや、初めての連載、同期の連載作家との友情、スランプなど実際の体験談が淡々と語られている.ジャンプ的な若者的な熱血漢のイメージがあるジャンプと社会性・泥臭いイメージを持たれるマガジンの両者の違いが「バクマン。」と「青春少年マガジン1978〜1983」大きく現れていると思う.1)「青春少年マガジン197〜1983」は全体的に暗いが、淡々とした雰囲気がいい.とくに同期の漫画家三人と出会い、三人集まってダラダラと将来やお互いの漫画の議論してるたるい感じが雰囲気なんかがいい.なんか自分の大学生時代に授業にもでずダラダラと過ごして、毎日友達とたべってたのを思い出させる.
 連載当初の、いつまで締め切りを遅らせたら印刷に間に合わないか身をもって確認する話なんかは全くかっこよくない.その後のスランプに陥っても、それを乗り越えるわけでもなくなんとなく漫画家続けてたりするのは創作物語とは違うなんか現実的な味がある.僕も仕事を始めてすぐに五月病になったけど、何かがあって立ち直ったわけではなくて、今でも仕事やめたいけどしかたなく仕事を続けてるし、そんなとこで描いている内容に共感できるところが所々ある.
 同期デビューした小林まこと小野新二、大和田夏希の三人が新人三馬鹿トリオを結成する.その後、漫画を描く重圧にたえきれなかったのか、小野は体調を崩していき、大和田は次第に精神が病みんでいく.今週号で、小野は右手の親指と人差し指が動かなくなりるも、ガムテープでペンと指を固定する漫画を書き続ける壮絶なエピソードが紹介され、続いて、大和田が自殺した事が語られる.巻末の作者のコメントに「じつは,ボロボロ泣きながら描きました。」と書かれている.
 コメント読んでもう一回度本編読むと泣けてきたね.とくに大和田の若い頃を回想するシーンにはジーンときました.
いい話なので、早く単行本化してほしいです.マガジンを買っていないので、三人が出会うシーンをもう一回読み返したいです.多分読んだら泣だろな.

アオイホノオ

 アオイホノは島本和彦の大学生活をモチーフにした青春ドラマ風の作品で、作者自身の過去に島本風のド派手な脚色を加えた青春漫画である.単行本一巻の最初のページにでかでかと「この物語はフィクションである。」と描かれているが、庵野秀明山賀博之南雅彦矢野健太郎が実名で登場する。
 あだち充の「ナイン」や高橋留美子の「うる星やつら」を読んで、自分ならもっと売れるなストーリーにできると、やや上から目線な漫画の読み方をする.そして、18歳の自分が成長したら凄い漫画家になれるんじゃないかと妄想する.でも実際に漫画を描こうとすると、自分の今の実力を知ってしまうから、漫画の枠だけしか描けない.俺が枠の中に描いたら凄い作品が必ずできると信じて悶々とする.
 若さゆえの過ちか、それろも自分を過大評価し過ぎか、自分の能力を過信して空回りするこういった焔の姿が面白く描かれている.このような"自分は若いからこれからどんどん色々なものを吸収して凄い人物になるぜ"って思いは誰しもがするんじゃないかな?自分も仕事始めた当初はそんなこと考えていました.先輩の仕事振りをみて本当に駄目な人間ばかりだと思っていたら、未だに先輩の仕事を超えることができないで、仕事への情熱がさめちゃいました.
 アオイホノオでは焔が俺は凄いと空回りしながらも、世の中に打ちのめされながらも徐々に成長していくはしで、僕的には凄く好きな作品です.
 特に庵野さんのパラパラ漫画を盗み見て壮大なショックを受けるシーンや、庵野ウルトラマンの公開シーンとは面白いです.
 単行本かって読んだのですが、こっちが何かこっぱずかしくなるけど、読まずにはいられない面白さがあって、久しぶりにかって凄く良かったと感じた一冊でした.

*

青春少年マガジン1978〜1983」も「アオイホノオ」も「ばくまん。」とは対照的にノンフィクションに基づくところが多いように感じ、物語の内容に共感できる部分がある.そう思うのは自分がある程度人生経験をつんできただろうか?
 とりあえず僕的には「バクマン。」より「アオイホノオ」の方がくお勧めである.
 てか「バクマン。」の感想になってなかったきがしてきた.

1)週間少年ジャンプと週間少年マガジンのイメージの違いはウィキペディア週間少年マガジンの項参照


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著者:島本 和彦
出版社:小学館
出版日:2008-02-05

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